鉄人実験ショー
あなたもきっとダマされる!?ヒトをあやつる「感覚」の科学
 (藏田玲美さん、おかだゆかさん、吉田貴寿さん)
おどろき☆大変身!シーオーツーのひみつ
 (木村友美さん)
水と油! WaOでショー
 (切畠和宏さん)
エコサイエンスショー ぱぱとはるの人の力で〇〇しよう!
 (福岡亮治さん、福岡はるさん)

水と油!WaOでショー

実験ショー&ブース紹介

 水と油を使った実験です。英語で表すとWater and Oilなので、頭文字を組み合わせてWaO(ワオ)でショーと名付けました。実験で感動したとき、“ワオ”といってください。

 さて、水と油からできているものとして身近なものでは、台所にあるドッレッシングですね。サラダなどにかけるときは、まずよく振りますね、それは水と油が分かれているからです。なぜかというと、油は水に溶けないからです。そして、油は水より軽いので、水の上に位置します。そんな混ざり合わない水と油を使います。

  1. ボトルウェーブの回転
     ボトルウェーブは、お土産物屋さんによく置いてあります。2つの液体が入っていて、下の液体が青くてまるで本当の波のようにゆれて、海を思わせてくれますね。今回は、水と油で作りました。ただし、水には色をつけてあります。このボトルウェーブを回転させたらどんなことが起こるのか、楽しみです。
  2. ボトルウェーブの共振
    2つに分かれている水と油には、2つの面ができます。1つは境の面、もう1つは上の油の面です。自由に、どちらか片方の面を揺らすことができるでしょうか。成功すれば“ワオ”ですね。
  3. 氷はどこへ
    氷を水に浮かべると少しだけ、水面から氷が現れます。『氷山の一角』のたとえはここからきています。それではボトルウェーブの中では、氷はどこに位置するでしょうか、ヒントは浮力です。
  4. ボトルの中で色変化
    ペットボトルの中に透明な油と水が入っています。両方とも透明ですが、性質は違います。水に溶けるもの溶けないもの、油に溶けるもの溶けないものを組み合わせて、色を変化させます。さらに化学反応を加えて・・・何と4回、色が変化します。その瞬間は見逃せませんよ。

★ボトルウェーブの科学

ボトルウェーブの土産物は、沖縄を始めとして海がきれいな観光地での定番です。ボトルウェーブを揺らしながら液の境目が波のように変化する様子を楽しんだことはないでしょうか。また、その境目に舟などが浮いているものもあります。形が変化するということはエネルギーが関係し、浮くということは重さが関わっています。日常のいろいろなところに科学があります。

実験ショー&ブースのポイント

【実験の原理】

 今回は、水と油でボトルウェーブを作りました。回転させたり、揺すったりすることで形に変化が現れたということは、力がはたらいたということです。力を目で見ることはできませんが、形の変化からどこからどのように働いたのか、推測することができます。

 氷の実験では、浮力が関係します。油には浮力があるので、氷の位置に変化が現れます。この実験から、実は空気にも浮力があるのではないかと気づかされます。空気の重さはあまりにも小さいので、日常では無視してよいほどなのです。家庭でもできる簡単な実験なので、油の種類を変えて実験するといろいろな発見があると思います。

 最後の実験は、溶けやすいもの溶けにくいものを利用しています。特にヨウ素は油に溶けると赤色になるので、そのような性質を組み合わせました。溶かす作業は、理科の実験では欠かせません。なぜなら水溶液中で化学反応が起こりやすいからです。短時間で起こる化学反応は、まるで手品のようですが、今回は色にこだわりました。

【ショーで大切にしていること】

 「なぜ?」「どうして?」の気持ちを大切にしています。科学ショーでは手品のような部分もありますが、必ず原理を説明します。そのとき「そうか」「なるほど」と思うことで、科学への興味を持つきっかけになってくれれば嬉しいです。そのために、できるだけ身の回りのものを使ってショーを組み立てています。手に入るものであれば、再現できるからです。楽しいだけでなく湧いてきた興味や関心をもとに、自分で実際にやってみることが、次の好奇心へつながると信じています。


プロフィール

氏名:切畠 和宏(きりはた かずひろ)
所属:浜松学院高等学校

 2000年よりサイエンスレンジャー(科学技術振興機構)として任命されてから、全国で実験教室を実施。最近は特に、地元の図書館や協働センターで活躍。実験ショーとしては、中部電力でんきの科学館、中部電力へきなんたんトピア、科学の祭典全国大会などに出演。

 “身近なところに科学がある”をモットーに、できるだけ手に入るものを使いながら楽しく実験している。子供の目が、驚きから好奇心に変わっていく瞬間が好きで、なぜ?どうして?を大切にしている。

 2000年サイエンス展示・実験ショーアイディアコンテスト実験ショー部門「佳作」受賞、2001年と2002年同コンテスト実験ショー部門「科学技術振興事業団理事長賞」受賞、2002年静岡県私学協会教育奨励賞受賞、2016年科学の祭典静岡大会実行委員会から感謝状の贈呈を受ける。