Dr.ナダレンジャーの自然災害科学実験教室 ー東日本大震災で起こったことー
実験ショー映像
実験ショー紹介
食べられてもいいから、ほんもののライオンといっしょにいたいと思う人はあまりいないですよね。
でも、動物園のライオンのようにオリの中なら、少しくらいこわくても、近くで見たくないですか。
もしかしたら、こわいものを見たいという気持ちは、自然の中で生き抜くために人類に与えられた能力かもしれません。
だから、地震や竜巻、台風、雪崩など、災害を引き起こす自然現象も、自分が安全であればそばで見たいと思うのも不思議ではありません。
このため、悲しいことに、わざわざ台風の高波を見に行って、犠牲になる人さえいます。
でも、災害をひきおこすような巨大な自然現象もミニチュアにしてしまえば、ぜんぜんこわくはありません。
そのかわり、目の前でいつもとちょっとだけちがう不思議なことが起こるので、わくわくしてきます。
だから、災害をおこす自然現象もミニチュアにすればおもちゃになるのです。
Dr.ナダレンジャーはどこにでもある身近なものを使って、災害をおもちゃのようにお見せします。
小さくなった自然現象の不思議さと、大きくなったときのこわさの両方を味わってください。
そして、うちに帰って、自分でもやってみましょう。いつ襲われるかもしれない災害に少しでも興味を持ち続けるために。
実験ショーのポイント
災害を引き起こす大規模な自然現象は大変怖いものです。しかし、被害が出ないほどのミニチュアで再現すると、その不思議な挙動が、大変興味深い科学おもちゃとなります。日本列島はあらゆる災害のデパートのようなところです。沖縄でも、台風のような風水害ばかりではなく、地震や津波も起こります。防災意識を高める上で基本となるのは災害を引き起こす自然現象に少しでも興味をもってもらうことです。
自然な形で興味を持つためには、科学の楽しさを通して、その怖さに接するというのが最も自然な流れです。このサイエンスショーは、自然災害と関係する物理現象を素材に、そのメカニズムを理解していただくものです。お見せするのは東日本大震災でも大きな被害をもたらした地震による地盤の液状化現象や超高層ビルの揺れなどです。演者はどう見ても科学者には見えないDr.ナダレンジャーという不審者風のキャラクターに変身します。その上で、ペットボトル、丸ピン、砂といった身近にある素材で地震による液状化現象を再現します。実際に起こると大変なことになる現象が小さくするとまさにおもちゃになります。
さらに、数cmくらいの大小の長さのちがうスポンジで長周期地震動による超高層ビルの揺れを再現するとともに、固有周期による共振現象を理解してもらいます。さらにどこにでもある紙で作った数cmのかわいらしい共振現象から、長さ数mの棒の迫力ある共振現象までを体感してもらいます。そし て、最後に市販の発泡スチロールブロックを振動台の上に4mくらいまで積み上げて、共振により倒します。希望者にはブロックの下敷きになっていただき、その怖さも十分に体感してもらいます。
プロフィール

氏名:納口恭明(のうぐちやすあき)
所属:独立行政法人 防災科学技術研究所
北海道出身60歳還暦。1981年北海道大学大学院修了、理学博士。独立行政法人防災科学技術研究所防災教育担当専門員。ピンポン球数十万個を使った雪崩実験などの災害研究をするかたわら、雪崩シミュレータ「ナダレンジャー」、地盤液状化実験装置「エッキー」、固有振動「ゆらゆら」などを開発・駆使し、自らDr.ナダレンジャーに変身して、幼児から専門家までを対象にした災害科学教育活動を年間200回以上実施している。ナダレンジャーとして沖縄に来るのは3回目。